こんにちは、国際中医師で薬剤師のひとしです。
梅雨前にしてすでに夏のような日差しが厳しい今日この頃ですね。
夏場は季節がら、頭痛や関節痛に悩む人が多くなる時期です。
「頭痛がするとすぐ痛み止めを飲む」
「腰痛や関節痛があるから毎日薬が手放せない」
こうした方は少なくありません。
もちろん、痛み止めはつらい症状を和らげ、日常生活を助けてくれる大切な薬です。
しかし一方で、“いたずらに飲み続けること”によるリスクがあるのも事実です。
今回は、中医学や漢方の視点も交えながら、
- 痛み止めを多用するリスク
- 漢方薬を使うメリット
- 上手な付き合い方
についてわかりやすく解説します。
痛み止めは「治す薬」ではなく「治める薬」
まず大切なのは、
痛み止めは“痛みを治める”薬であり、“原因を治す”薬ではない
ということです。
送り仮名が違うだけですが、意味はめちゃくちゃ違いますからね。
- 肩こりによる頭痛
- 冷えによる腰痛
- 血流の悪化による関節痛
- ストレスによる緊張性頭痛
など、痛みにはそれぞれ原因があります。
しかし痛み止めは、多くの場合「痛みを感じる反応」を抑える薬です。
つまり、
火災報知器の音を止めている状態
に近いイメージです。
音は止まっても、火の原因が残っていれば再び症状は出てきます。
そのため、痛み止めだけに頼り続けると、根本的な改善につながりにくいことがあります。
痛み止めを連用するリスク
痛み止めを続けて使うと体に良くない…っていうのはみなさんもなんとなくイメージつくと思います。が、具体的にどう悪いのでしょうか。
① 胃や腎臓など内臓への負担
痛み止めの中には、胃の粘膜を荒らしやすいものがあります。
そのため、
- 胃痛
- 胃もたれ
- 胃潰瘍
などの原因になることもあります。
また、腎臓に負担をかけるタイプもあり、長期間の連用には注意が必要です。
- 高齢の方
- 脱水傾向の方
- 他の薬を多く飲んでいる方
では特に注意が必要になります。
② 症状を悪化させる可能性
実は、痛み止めの使いすぎによって、逆に症状が悪化するケースもあります。
代表的なのが、「薬物乱用性頭痛」です。なんだかおっかない名前ですね。
頭痛薬を頻繁に飲むことで、脳が痛みに敏感になり、飲めば飲むほど頭痛が起きやすくなるという悪循環に入ってしまう状態です。
また、痛み止めの服用によって関節軟骨の変形や破壊が進む可能性があるという報告もあります。関節の痛みで痛み止めを飲んでいるのに、回復から遠のいているなんて!
いずれも「飲んだらいきなり悪くなる」といった劇的なものではありませんが、使い過ぎはほんとよくないわけでございます。
「痛みが消えた=治った」とは決して言えません。
③ 根本的な解決にならない
痛みには必ず原因があります。
中医学では、
- 血流の滞り(瘀血)
- 冷え
- 水分代謝の乱れ
- ストレスによる気の停滞
などが痛みの原因になると考えます。
そのため、痛みだけを抑えていても、原因が改善されなければ繰り返しやすくなります。
「その場しのぎ」になってしまうことも少なくありません。
火災報知機が鳴っているなら火元がどこかに必ずあるはずですね。
だからといって痛み止めが悪いわけではない
ここはとても大切なポイントです。
痛み止めは決して悪い薬ではありません。
たとえば、
- 痛みが強くて眠れない
- 仕事や家事に支障が出る
- 動けないことで逆に体力が落ちる
こうした場面では、痛み止めを使うことで生活の質が上がります。
無理に我慢し続けるほうが、体に悪影響を与えることもあります。
大事なのは、
「漫然と使い続けないこと」
です。
痛みを抑えながら、同時に原因へのアプローチも考えていくことが重要です。
漢方薬を使うメリット
漢方薬がすべてではないですが、漢方薬を効果的に使うといいことがあります。
① 痛みの原因にアプローチできる
漢方薬(中医学)の特徴は、
「なぜ痛みが起きているのか」
を重視することです。
たとえば、
- 冷えが強いタイプ
- 血流が悪いタイプ
- ストレスが関係するタイプ
- 水分代謝が悪いタイプ
など、同じ「頭痛」「腰痛」でも体質によって考え方が変わります。
そのため、
- 痛みが起きにくい体づくり
- 再発予防
に向いているのが漢方薬の特徴です。
② 体への負担が比較的小さい
漢方薬は比較的マイルドに作用するものも多く、長期的な体質改善に使われることがあります。
もちろん、副作用がゼロではありませんが、
「毎日痛み止めを飲み続けるのが不安…」
という方にとって、選択肢の一つになることがあります。
③ 痛み以外の不調も整うことがある
漢方薬は“痛い部分”ではなく“痛みが出ているからだ全体”をみる医学です。
そのため、
- 冷え
- 疲れやすさ
- 胃腸の弱さ
- 睡眠
- イライラ
などが一緒に改善するケースもあります。
「痛みだけ」ではなく、
体全体のバランスを整える
という考え方が漢方の大きな特徴です。
まとめ|痛み止めと漢方薬を上手に使い分けることが大切
痛み止めは、つらい症状を和らげて日常生活を助けてくれる大切な薬です。
ただし、
- 内臓への負担
- 薬剤乱用
- 根本改善になりにくい
といった側面もあります。
だからこそ、
- 必要な時は痛み止めを使う
- 同時に原因へのアプローチも考える
という視点が大切です。
漢方薬や中医学は、
「痛みを繰り返しにくい体づくり」
を目指す考え方です。
「最近、痛み止めに頼ることが増えている…」
そんな方は、一度“体質”という視点から見直してみるのもおすすめです。
漢方と上手な付き合い方。
とは言ってもじゃあどこに漢方相談すればいいか、と思う方も多いんじゃないでしょうか?
中医学だけではなく、漢方に関するお話会も開催しています!
難しい分野ではありますが、できるだけわかりやすく、楽しんでもらえるような、
それでいて「自分にはこれがいいかも!」と思ってもらえるような内容です。
▶ お話会の詳細はこちら☟ お申し込みは公式ラインより!
▶そのほかのメニューはこちら☟
















